糖尿病が悪いことはわかっていても具体的にどのような症状があり、普段の生活にどのような影響がでるのでしょうか。
そんな悩みに臨床検査技師がお答えします。
実は医師と同じように病態を考えながら生理機能検査や検体検査を行っています。
糖尿病を放置すると主に4つの合併症をきたすことになります。
一昔前は3大合併症と言われてきましたが、今は4つ目も視野に入るようになりました。
これから臨床検査技師を目指す人は覚えておきましょう。
- ①神経障害
- ②目の障害
- ③腎臓の障害
- ④心血管疾患
上記の①から順に症状が現れていきます。
共通していることは心血管疾患の一部を除いてはいずれも毛細血管に起こる障害です。
一つずつ説明していきましょう。
①神経障害(糖尿病神経障害)
糖尿病合併症で最初に現れる合併症であり、なかなか気づかきにくく知らないうちに進行していきます。
主な症状は「手足指のしびれ」 ですが、ただの痺れだと侮ってはいけませんよ。
手足指の切断までになる恐れがあります。
足全体が変色していて不安になってからではもう後の祭りですよ。
②目の障害(糖尿病性網膜症)
神経障害と同様にこれも自覚症状はなく無症状で進んでいく場合が多いです。
最悪の場合、失明もあり得ます。
そうならないためには眼底検査を定期的に受けることをおすすめします。
なぜ眼底検査なのかというと、目の毛細血管は人体の血管の中で一番細い部分なのです。
そのため動脈硬化の進行状況を把握しやすいのです。
③腎臓の障害(糖尿病性腎症)
腎臓には血液を濾過して尿の素を作り出す機能がありますが、糖尿病になると血液が上手く濾過できなくなります。
初期には無症状で、水分が体に溜まり浮腫(むくみ)となります。
さらに進行すると腎不全で見られるような息切れ、貧血、全身倦怠感などの尿毒症の症状が出てきます。
④心血管疾患
高血糖が続くことで、毛細血管だけでなく大きな血管でも動脈硬化が進行していきます。
動脈硬化が血管に悪いことは周知のことでしょう。
脳卒中、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などになるリスクがあります。
糖尿病になると心筋梗塞の痛みを感じにくくなることが知られています。
代謝を高めて血糖値を下げてみる
そうならないためには、日ごろからきちんと頸動脈や心臓・下肢静脈・腎動脈などのエコー(超音波)検査を受けておくのが良いです。
まとめ
糖尿病は放っておくと大変なことになりかねないことが良くわかりましたね。
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